卵アレルギーの次男がアナフィラキシーを起こしました
親戚の家に旅行に行った帰り、すっかり気の抜けていた私の過失により卵(卵黄)が入った食品を食べさせてしまいアナフィラキシーが起こりました。
普段ならバニラアイスも細心の注意を払って与えているんですが、容器にでかでかと「アレルギー物質:卵」と書いてあったのにも関わらず、確認を怠りこんな事態になりました。
自戒と今回のことでわかったこと、疑問に思ったことなどをまとめておきます。
アナフィラキシーショックの症状
今回のアナフィラキシーの症状は下記の通りです。生後11ヶ月の時に起きた1回目のアナフィラキシーとおおよそ同様の内容でした。
1.口の周りが赤くなる
2.繰り返す嘔吐
3.身体の蕁麻疹
4.喘鳴
アイスをカップ半分食べたところで食べるのを止め、甘えてきたと思ったら咳き込み始め嘔吐。アイスカップのアレルギー表示に気づいたのと同タイミングでした。嘔吐は胃の中のもの全部吐ききるまで続きました。
内容を見てみると卵(卵黄)とありました。
これは1回目のアナフィラキシーの時の血液検査表です。
卵黄はクラス3ですが、加熱卵黄は今まであげていても特にこのような症状がなかったので医師からは「卵黄については今まで通り」と言う指示を受けていました。
しかし、アナフィラキシーを恐れ卵黄すらも与えられず結果【完全除去】と言う形をとっていました。食事の時間的に病院の開いている時間に与えにくいというのもあります。
今回のアナフィラキシー時のアレルギー数値
検査結果が出たので今回のアレルギー検査の報告書を受け取りました。
卵白・オボムコイドともに下がっています。そして今回の「卵黄」の数値が上がっています。
卵黄は「5.67」から「13.3」になっています。
この2回の測定の間に1回アレルギー検査をしているんですが、その時は卵黄の数値確か1回目に比べて下がっていたはずなんですが…今回の件で上がってしまいました。
これはアナフィラキシーショック後の検査だからこのような結果になったのか、クラス2に近い3だったのが4に近い3になってしまいました。
車内から電話をかけ総合病院へ
詳細は書き控えますが、次男がアナフィラキシーを起こしたのは帰路でした。高速に飛び乗り、過去に入院したことのある総合病院に向かいました。
事前に電話で詳細を伝えていたこともあり、到着までの間に医師や看護師内で意見交換や対応を考えてくださっていたようです。受付の方も凄く優しく迅速に対応してくださって、焦る気持ちが少し癒されました。
小児科に着くとすぐにベッドに寝かされSpO21を測りながら、気管支拡張剤の吸入、酸素マスクをつけられるも大暴れ!とんでもなく泣いていました。
到着直後のSpO2は88ぐらい。その後ステロイドの点滴を受け蕁麻疹も呼吸も一気に落ち着きSpO2も99〜100となりました。
この日は念のため入院加療。何もなければ一泊で帰れるとのことでした。
アナフィラキシーが起こった時の対処
以前保育園の一時保育を利用する時にかかりつけの小児科にてアナフィラキシーが起こった時の対処薬を出してもらっていました。
アレルギーを持つ子どもの一時保育、打ち合わせを終え安心した話。
その時の処方薬は「ザジテンドライシロップ0.1%2」でしたが、チイのアナフィラキシーで症状が強いのが「嘔吐」「喘鳴」です。
内服薬を飲めない!
なんで気づかなかったんだろう。
いざという時の対処薬をもらったことで安心していたが、あくまでこれは嘔吐を伴わないシーンでしか無理である。ショック時は本人もパニックなので水を飲むことも不可能。これは今後考えていかなければならない課題である。
医師による説明
対処薬が処方されていても、飲めなかったら意味がない。とっさの時の対処はどうすべきか相談してみました。
総合病院医師の話
「皮膚症状」「呼吸症状」「嘔吐」など2つ以上の症状が出た場合、なんらかの医療介入が必要。とにかく可能な限り救急でもかかりつけでも早く処置を受けられる病院に行ってください。
今回は入院歴などがあったからこちらを選ばれたと思いますが、次回からはできれば最短で行ける医療機関に行きましょう。
困ったら救急来てくださいね。対処については担当の小児科医とも話してみてください。
この先生めちゃくちゃ話聞いてくれて、熱心に答えてくれてとても好感持てました。熱意ある医師好きです。
総合病院担当小児科医師の話
退院から1週間後にアレルギーの血液検査の結果報告とともに診察がありました。
アレルギーの結果を見つつ退院後の様子などの確認。今後の対応についてはこちらも「もしもの時はどこでもいいから最寄りの小児科へ行って対処してもらうように」とのことでした。
「基本はかかりつけ小児科の指示に従ってください。検査結果などの報告を送っておきます。」ということで診察終了。あまりいろいろ突っ込んで聞ける状態じゃなかったな…前回の入院時もこの医師が担当医だったけどあまり相性が良くない。
かかりつけ小児科医師の話
月1の喘息の診察があるのでその時にアナフィラキシーの報告して聞いてきました。
「入院するほどの状況はよほど。アナフィラキシー起きちゃってたら今後しばらくは何も動けない、血液検査も1年ぐらいはやっても意味ないかもしれない。」
「体重が15kgを超えたらエピペンを持つ必要があるかも。だいたいはその体重に到達する前に良くなることが多いけど、確実ではない。今はとにかく症状が出たらすぐに病院に行くこと。」
「卵黄は基本アナフィラキシー起こしにくいと言われているけど…完全分離はできないし、まして加熱がなければ影響は出やすい。とにかく気をつけること」
ちょうどいいから…と、病院の担当栄養士さんが行っているヒヤリ・ハット用のアンケートを渡されました。私の経験が何かに生きるなら存分に生かして欲しいです。
総合した今後の対応
念のためザジデン(内服薬)は所持しつつも、基本は症状があればすぐに病院に見せに行く。かかりつけかどうかは関係なく、とにかく早く診てもらえる病院へ行くこと。
我が家の場合、かかりつけの小児科は隣の市にあるので緊急時は最寄りの小児科か同等距離の総合病院の救急に行くこと。
個人的な考え
かかりつけは喘息やアレルギーの勉強を凄く熱心にされていて、学会などにも積極的に参加して他の医師との意見交換もたくさん行ってくれている医師です。
見当違いなことをこちらが言っても「それは違うよお母さん、あのね…」と説明してくれる。当たり前のようだけど、最寄りの小児科とかでは得られない対応だったりする。
信頼しているからお願いしたいんだけど、それでも緊急時はやはり30分かけて行くのはリスクが高い。アナフィラキシーなら遠慮なく救急に行く。というか救急車呼ぶように言われたのでちゃんと助けを呼ぶ。
いろいろな情報を読む。知る。
身元のわかるレポートなども読んだりしつつ、理解を増やし危機想定を考えます。
東京女子医科大学東医療センター小児科の報告レポートはとてもわかりやすくまとまっていて「頻回にアナフィラキシーを起こした食物アレルギーの 1 男児例」というものですが、今後次男がライフステージを進むにあたりどのようなシーンで注意が必要かが学べました。
どういうことが原因で気をつけなければならないかなども書かれています。
食物によるアナフィラキシーを頻回に起こした 1症例を経験した.誤食によるアナフィラキシー発症には,保護者や養育者の知識不足や不注意が関わっていた.重度の食物アレルギーでは,少量で重篤な症状を招くこともあり,注意喚起とともに予防策も考慮しておく必要がある.
保護者の不注意。完全これですね…今回のことは。
あと小児科の待合室で「アレルギー大学 | アレルギー支援ネットワーク」なるものを知りました。
様々な講座もあるみたいなので学びを深めるのもありかな。サイト内にはアレルギー患児のためのいろんな情報が載っているので知識として読んでおこうと思います。特に就園・就学準備など。
アレルギー支援ネットワーク | 認定NPO法人(特定非営利活動法人)アレルギー支援ネットワーク 公式サイト
アレルギーの子どもを持って知ったこと
私はアルコールとエビカニでアナフィラキシーに近い症状が出ます。エビカニはクラス3だったかな?加熱が弱いと出ます。アルコールは検査していないけど一口のビールで気道がむくみ呼吸ができなくなるので多分確実です。
アレルギー体質なのでその辛さは私はよーくわかっているけれど、それでも食物アレルギーがこんな大変なものだとは知らなかった。
買い物するのも野菜以外はとにかく食品表示を見まくってしか買えない。定番ができるまでが大変。
「ちょっとぐらい大丈夫じゃない?」「なんだかめんどくさいね」
言われる。辛い。
安心安全のために未だに和光堂のベビーフードを持ち歩いているが「もうベビーフードの時期じゃなくない?」など言われる。
わかってるけども!だけどこの子に安全に食事をさせられることが私のやるべきことだから仕方がないの。外食も好きだったけれど、今ではとても億劫だ。なんでも食べたい子を連れて行くにはリスクが高い。
上の子が手や口を汚しながら食べることにピリピリする。他の子がおもちゃを持って食事をすることにヒヤヒヤする。
アレルギーっ子の親たちは一体どうこなしているんだろう?上の子もいるのでその付き合いもある。
まずは我が子から手や口をすぐ拭く習慣をつけさせよう。食べ終わった食器はすぐに片付けるようにしよう。
そんなことで誰かのリスクを減らせるなんて次男のアレルギーがわかるまで知らなかったし、配慮できなかった。
知ったことから実行していこう、自分が直面しないとわからないことがたくさんある。私だってそうだ。
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